謝っているのに許してくれないのはなぜ?相手に伝わる謝罪の仕方【前編】

「どうしたら相手に許してもらえるだろう」

 

こう考えているうちは、許してもらえることはないと思います。

 

なぜなら「許してほしい」と思っているから。

 

こいつ、何をおかしなこと言っているんだと思いますか?

 

許して欲しいから謝るのは当たり前じゃないかと。

 

もう一度言います。

 

だから、許してもらえないんです。

 

「謝罪」に対するそもそもの考え方がズレてるんです。

 

何がどうズレているのか説明をします。

 

あなたが相手を傷つけてしまうようなこと

たとえば浮気をしたことがバレて

相手に謝ろうと思ったときを思い浮かべてみてください。

 

ここでいくつか質問です。

 

まず

「浮気をしたのは誰ですか?」

 

あなたですよね?

 

そのことについて

「謝罪したいと思っているのは誰ですか?」

 

あなたですよね?

 

「謝罪して許して欲しいのは誰ですか?」

 

あなたですよね?

 

ここまでで、何かおかしいと思うことはありませんか?

 

謝罪の「目的」が「許してもらうこと」になってしまっているんです。

 

ピンとこない方のために、

もう一度質問します。 

 

「傷つけたのは誰ですか?」

あなたですよね?

 

では

「傷付いているのは誰ですか?」

相手ですよね?

 

その相手はいま、どんな気持ちでいると思いますか?

つまり、ここで大事なことは相手の感情を軸に考えることなんです。

 

あなたが浮気をしたことによって

相手は深く傷つき、涙を流しているかもしれない。

食事が喉を通らないぐらい、悲しみにくれているかもしれない。

 

そんな相手の感情にしっかり寄り添って謝罪のタイミングや言葉を選ばなければなりません。

 

にも関わらず、そんな相手の感情を無視して

罪悪感から逃れたい

安心したい

という自分の感情を軸に

「許してください」と謝罪をしても

それが相手の心に伝わるわけがありません。

 

だって、傷付いているのは自分じゃなくて相手なんです。

自分が感じている罪悪感とは比べ物にならないほど

心が痛んでいるのは相手なんです。

相手はその痛みから早く解放されたいんです。

 

だから

謝罪の目的は決して「許してもらうこと」であっていい理由がありません。

 

「悪いことをしたら謝りなさい」

とか

「謝っているんだから、許してあげなさい」

という言葉を機械的に解釈して

悪いことをした→謝る

謝る→許してもらう

というように、謝罪の目的が

「謝ること」や「許してもらうこと」になってしまっているうちは、

相手に伝わるわけがないのです。

 

謝罪は「相手の感情を理解しようとする」ところが出発です。

 

そもそも相手は謝罪なんて求めてないかもしれません。

「謝って済む問題じゃない」という言葉は

まさにそういったときに出てくる言葉であり

謝罪だけでは納得ができない状態なんです。

そこで考えなければならないのは

謝罪から始まるその後の具体的な行動です。

 

確かに「最初に謝ること」は必要です。

しかし謝罪の目的をはき違えてしまったら

火に油を注ぐだけになるかもしれません。

 

そもそもなぜ謝らなければならないのかということを掘り下げていった結果、

自分に非があるのであれば

「許してほしい」という自分軸ではなく

「どうしたら相手を痛みから解放してあげることができるか」

という相手軸で謝罪の仕方を考えなければならないはずです。

 

謝罪とはスタートであってゴールではないからです。

 

前置きが長くなりましたが

今回は、謝罪の仕方を考える前に

謝罪とは何のためにするものなのかという

そもそもの目的を考えることにしました。

この部分をすっ飛ばして、いくら上手な謝り方を知ったところで

それが相手に伝わることはないと思います。

 

大事なのはテクニックではなく、考え方だからです。

 

この考え方を前提に

次回は具体的な謝罪の仕方を書いていきます。

 

お読みいただき、ありがとうございます。